臼井南遺跡群 うすいみなみ
王子台小学校

臼井南遺跡群(うすいみなみいせきぐん)

−佐倉の元村―

 この遺跡群は、佐倉市臼井字忍(しのぶ)にあり、現在の京成電鉄線うすい駅一帯が、当時の遺跡の一部でした。もともとこのあたりは、印旛沼に向かって細長く延びた台地で、標高はおよそ20メートルを測ります。遺跡は、渡戸(わたど)A地点、渡戸B地点、渡戸C地点、石神(いしがみ)第一地点、石神第二地点、神明社(しんめいしゃ)A地点、神明社B地点など七つが点在し、それらを総称して「臼井南遺跡群」とよんでいます。

 渡戸B地点では、弥生時代後期の14軒の竪穴住居と二基の方形周溝墓とが発見され、さらに古墳時代後期の住居1軒も発見されましたが、特に弥生時代の後期の土器は、従来知られている土器の文様や形など異なる特徴を持っていたことから臼井南式土器と呼ばれるようになりました。

 発掘調査は、1973年に行われ、縄文時代早期末の炉穴をはじめとして、弥生時代後期の集落跡、平安時代の集落跡、そして、中世の城跡など、各時代の遺構とさまざまな遺物が多量に発見されました。

 このように臼井南遺跡群は、関東地方にも後期弥生土器にも小地域土器分布圏というものが存在していた違いがあったことを最初に教えてくれた重要な遺跡です。同時に、弥生時代後期及び平安時代には、佐倉市内でも有数の大集落であり、いわば、佐倉市にとっては、かって元村(もとむら)であったと考えられます。           

(「原始・古代の佐倉」佐倉市市史編さん室)

 

   
王子台5丁目 石神公園(いしがみこうえん)
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