岩名天神前遺跡 いわなてんじんまえ
岩名麻賀多神社  

岩名天神前遺跡(いわなてんじんまえいせき)

― 再葬墓(さいそうぼ)研究の原点 ―   

 

岩名天神前遺跡は、佐倉市岩名396番地にあり、関東地方では最も古い弥生時代の墓の遺跡です。1963年も暮れようとするころ、毎日新聞千葉版に、偶然にも佐倉市の農家の人が、芋掘りの最中に1個の土器を発見したという記事が掲載されました。この記事に注目したのは、弥生文化研究の権威者・明治大学の杉原荘介博士でした。そして、1963年と、翌年の2回にわたって発掘を行いました。 その結果、東日本では最も古い特徴を持つ弥生土器や管玉(くだたま)といった遺物や人の骨などが発見 され、しかもその墓は2度埋葬する珍しい墓であったことがわかりました。そして、弥生土器は、骨を納めるための器であったのです。博士は、特に東日本に見られるこのような墓地に対して[再葬墓]と名付けました。

この岩名天神前遺跡の発掘を契機に再葬墓の研究が一段と進みました。国立歴史民族博物館の春成秀爾教授は、この墓の第一次埋葬について研究を進め、石器で遺体を解体する方法、土器に炭化物やススが付着したり、土器の表面が小剥離(はくり)していることなどから、人の肉を煮て解体する方法、あるいは遺体を焼く方法などの可能性を提示されました。再葬墓を取り入れた地方の弥生人にとっては、死者を弔(とむら)うための最良の方法であり儀式であったのです。このように岩名天神前遺跡の発掘は、再葬墓研究の原点でした。

(「原始・古代の佐倉」佐倉市市史編さん室)

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